簿記検定の合格率や勉強時間を確認しよう!ネット試験についても解説します!

簿記検定の概要

受験を制するにはまずは敵を知ることから。
早速みなさんが受験する簿記検定について確認してみましょう!

簿記検定の試験科目や試験時間はどうなっているんだろう?

合格に必要な勉強時間は?

独学できるのかな?

日商簿記検定の試験概要について

簿記検定ってなんなの?内容や試験時間は?

簿記検定と一口に言っても日商簿記、全経簿記、全商簿記の3つの検定があります。
その中でも最も規模が大きく、知名度も高いのが日本商工会議所が主催する日商簿記検定です。

このブログでは基本的には日商簿記検定を想定して記事を書いていきます。

ではみなさんが受験する日商簿記検定の概要を確認してみましょう!

概要試験科目試験時間合格基準
3級業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。
商業簿記
3題以内
60分70%以上
2級経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。
商業簿記
工業簿記
(原価計算を含む)
5題以内
90分70%以上
1級極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。
合格すると税理士試験の受験資格が得られる公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門
商業簿記
会計学
90分70%以上
ただし、1科目ごとの
得点は40%以上
工業簿記
原価計算
90分

※参照元:商工会議所HPより。
簿記 | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)

今は商業簿記は日常の取引全般に使う簿記、工業簿記は製品の原価を計算するときに使う簿記、といったざっくりしたイメージでOKです。

この他にも簿記初級、原価計算初級がありますが、基本的には3級から始めて、3級→2級→1級の順番で受験していけばOKです。

また学歴等の受験資格もありませんし、3級を受かっていないと2級を受けれないということもありません。
ただし、2級は3級の知識を、1級は3級・2級の知識を前提にしているので、いきなり2級や1級の内容から勉強を開始するのはおすすめしません。

何級まで目指したらいいの?という点ですが、就職等の履歴書に資格として記載したい場合はひとまず2級を目指すといいと思います。
(3級でも履歴書に書けないことはありませんが、若干アピール力が弱いと思います。)
経理の求職情報でもよほどの大企業や人気の会社でない限り、簿記2級を要件としていることが多い印象です。

それぞれの級の合格率は?勉強時間や勉強期間の目安は?

合格率勉強時間目安勉強期間目安独学できる?
3級43.8%~67.2%独学:120~140h
予備校:80~100h
独学:1.5~3ヵ月
予備校:1~2ヵ月
市販テキスト等で十分独学可能
ただし、独学が苦手な人、市販のテキストではなかなか頭に入ってこない人は予備校を利用するのもあり。
2級8.6%~28.6%独学:250~350h
予備校:200~250h
独学:6~12ヵ月
予備校:4~8ヵ月
まだなんとか独学でも対応できる範囲
ただし、工業簿記が加わりボリュームも増え、商業簿記の難易度も3級と比べてぐっと上がるので、不安な人は予備校の利用を検討する
1級5.9%~13.5%独学:500~700h
予備校:500~600h
独学:9ヵ月~1年半
予備校:6ヵ月~1年
難易度がかなり高く、ボリュームも多いため独学には適さない
また市販テキストもいちおう出回っているが種類が少ない。
確実に受かりたい場合は予備校を利用するのがおすすめ

※合格率の参照元:商工会議所HPの受験者データにおける直近9回の試験の最低値・最高値。
簿記 受験者データ | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)
※勉強時間・勉強期間の参照元:TACの下記サイトより。(独学の勉強期間は予備校の勉強期間×1.5で算定)
簿記の合格率と難易度・勉強時間は?くわしく解説します!|資格の学校TAC[タック] (tac-school.co.jp)

これを見ると3級は比較的合格率が高く、簿記の入門の試験として難易度が抑えられているのがわかります。

2級になると合格率がぐっと下がりますね。
ただ、8.6%というのは直近1回(157回(2021.2.28))の数値で、それを除くとおおむね15%~30%となっています。
今後も合格率がそれぐらいになるように問題の難易度を調整してくるのかと思います。

1級は合格率5~10%程度と、言うまでもなく難関ですね…。
まさに「公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門」という表現がぴったりです。

感覚としては3級は独学でも大丈夫、2級以降から予備校等を検討するといったイメージです。
1級はよほど独学に自信がある方でない限り、独学はおすすめしません。

ネット試験って?試験の日程を確認してみよう!

試験のイメージがつかめたところで、みなさんが受験する試験の日程を確認してみましょう!

2020年12月から従来からの紙に筆記で回答を記載していく統一試験(ペーパーテスト)に加えて、パソコンで回答するネット試験が開始されました。

なお、パソコンを使用すると言っても自宅では受験できませんのでご注意を。

統一試験とネット試験の違い

2021年6月試験から統一試験とネット試験の試験時間・出題形式が統一され、次のようになっています。

1級は対象外ですが、空席があればいつでも好きな会場で受験可能という点で、ネット試験の方がフレキシブルな制度になっています。

 統一試験ネット試験
対象となる級 1~3級すべて2級、3級(1級は受験不可)
試験日年3回(6月第2日曜日、11月第3日曜日、2月第4日曜日)いつでも受験可能(ただし、統一試験が実施される月付近で受験できない期間があり)
試験会場受験の都度異なる(各商工会議所が指定した会場)商工会議所が指定するテストセンターの内、空席がある任意の会場を予約(自宅受験は不可)
申込方法各商工会議所によって異なるため、商工会議所検索から最寄りの商工会議所を検索日商簿記CBT/PBT試験受験者ポータルサイトから確認
受験料共通(3級:2,850円(税込)、2級:4,720円(税込)、1級:7,850円(税込))
回答方法問題用紙は紙
紙の回答用紙に筆記で回答
問題はパソコンの画面に表示
パソコンに回答を入力、または回答を選択
結果発表2級・3級は翌月初旬(2月実施分は翌月中旬)
1級は翌々月初旬(2月実施分は翌月中旬)
試験終了後、入力結果に基づき即時に合否がわかる
試験時間共通
出題範囲共通
出題形式共通

統一試験とネット試験のメリット・デメリット

上記を踏まえて、統一試験とネット試験のメリット・デメリットをまとめると次のようになります。

 統一試験ネット試験
メリット
  • 筆記試験のため、問題用紙に書き込みができる
  • 普段の学習と同じ感覚で受験できる。
  • 何度でも受験できるため挑戦できる回数が増える
  • 学習の進捗状況に応じて受験日を自分で設定できる。
  • 合否が即日わかるため、次の学習の計画を早く立てられる。
デメリット
  • 受験回数が限られる
  • 受験日が指定されているため、学習が早く進んで受験できる状態になっても受験日を待たないといけない
  • パソコンでの回答のため、問題用紙には書き込みできない。(ただし、別途メモ用紙がもらえるためメモはできる。)
  • 慣れないうちはパソコン操作でのミス、時間のロスが発生する可能性がある

筆記試験がいいという方は統一試験試験日を固定したくない方はネット試験を選ぶといいと思います。

とりあえずは統一試験を目標にして、学習の進捗状況に応じてネット試験に切り替えるという方法もありだと思います。

次回の統一試験の日程

統一試験の次回159回の試験日は2021年11月21日(日)です。

申込は1ヵ月半ほど前から開始されますので、統一試験を受験される方は忘れずに商工会議所検索から最寄りの商工会議所を検索して確認しておきましょう。

ウソみたいですが、申込を忘れていて受験できなかったという恐ろしい話もちらほら聞いたことがあります…。
特に、1級はネット試験がなく、必然的に統一試験を受験することなるため1級を受験される方は要注意です!


※参照元:商工会議所HPより。
簿記 | 商工会議所の検定試験 (kentei.ne.jp)

【番外編】「もっと上を目指したい!」~公認会計士や税理士を目指す場合~

会計系の資格の最難関と言われる公認会計士や税理士。

中には今の時点で最終的に公認会計士や税理士を目指したいと思っている方もいるかもしれません。
そんな場合は簿記検定に合格してからの方がいいのでしょうか?

結論から言うと、公認会計士や税理士を目指す方は、別途簿記検定の勉強をする必要はなく、初めから予備校のこれらの講座に申し込むのがベターです。

理由は、公認会計士講座や税理士講座でも、簿記の知識がない初学者を対象としていることが多く、基礎固めの目的から簿記3級の内容から丁寧に解説してくれることが多いためです。
簿記検定の勉強を進めてからこれらの講座を受講すると、内容が重複して二度手間になってもったいないですよね。

ただし、「もう3級取っちゃったよ!」という方でも、予備校には3級や2級合格者を対象にしたコースなど、様々なコース設定があったりしますので、一度予備校の窓口に相談してみるといいと思います。
(僕も簿記3級を取得してから公認会計士講座に申し込みました。)

公認会計士や税理士については今後別の記事で紹介したいと思います。

 

これを読んだら、次の記事「【新試験対応】簿記3級の配点・出題内容はどうなっている?出題範囲の変更についても解説します!に進みましょう!

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